OYWと3つの瞬間

 

市川太一

ダブリン大会レポート

One Young World この一体何を意味しているものなのかもわからない3つの英単語が、私の人生の時間に大きな意味をもたらすことは、応募した時点では想像もつきませんでした。

この報告書を書いているのは、OYWが終わってから1ヶ月以上後です。それでも色褪せることのない記憶、感動、衝撃、気付き、喜びが今も心そして頭の中に燃え盛る炎のように熱く残っています。今回はその中でもその後に大きな影響を受けた3つの瞬間と、その時感じた等身大の思いを書きたいと思います。

 

10月16日、OYWの2日目。初日はオープニングセレモニーのみで、実質この2日目からが本番でした。まだ時差ボケもとれないまま、ただ興奮と勢いで望んだ午前のセッションは、エネルギーと持続可能な開発について。OYWダブリンでは、テーマに即して著名人や各国の代表者が議論やスピーチを行い、その後会場の人から質問やコメントがされるのが大まかな流れでした。私はそのエネルギーに関するセッションの際、自分の故郷の福島県のことを考えていました。同時に、福島出身である自分、ダブリンの国際会議に参加している自分を考えた時、私はここで声を発さなければならないと思いました。多くの人がいる会議です、発言のマイクをとるには走らなければなりません。会場の中を急いで動いてマイクをとり、180国以上1200人の前で自分の故郷のことを話しました。原発のことに詳しいわけでもない私は、私が感じたことをただ話しただけでした。しかしその瞬間に180カ国1200人以上の前で福島の話を届けることは、私にしかできないことだと感じ、緊張しつつも、故郷が背中を押してくれるように思いを話すことができました。その瞬間が一つ目の大きな影響を与えた瞬間です。初めて自分自身が世界を動かしている人間の一員なのだと自覚したのです。国際会議は過去2回ほど参加していましたが、発言の場などはあまりなかったため、そのような実感はあまり感じられませんでしたが、その瞬間、そしてその後に各国代表者たちによかったと声をかけられたとき、世界を構成する一員、日本人、福島県民として確かに影響を持っている自分を自覚したのです。

2つ目の大きな影響を受けた瞬間は、脱北者の子のスピーチを聞いた後の瞬間です。彼女はそのスピーチで、彼女とその家族が脱北に至るまでのストーリーを話しました。その壮絶な内容は、今まで北朝鮮と聞くと、拉致や核ミサイルなどニュースで聞く範囲のことしか頭に浮かばなかった自分を大きく変えることになりました。私の頭の中で暗闇になっていた「北朝鮮の人々」というものに初めてライトが照らされた感覚を覚えました。ハリウッドムービーを見ただけで処刑される人々、脱北のために身を犠牲にする女性、飢えに苦しみ視界に入る草を食べる人々が、彼女の声を通じて浮かび上がりました。声が出なくなり、その後のセッションも耳に入ってこなくなり、私は思わず会場を出て、空を眺めていました。その時声をかけてきたイギリス人の方がいました。彼は会場で私の横に座っていた人で私の後を追ってきたようでした。スピーチについて言葉になりきらないまま少し話していたところ、突然「新聞に載せられないか」と聞かれ、その瞬間私の中のどこかでタガが外れ、行動を起こさなければと決心しました。なぜだかはわかりません。しかし行動は今もなお続いており、私の中に火を宿した瞬間でした。

3つ目の瞬間は、その後行動を起こし始めた時のとある瞬間です。これはOYW後になります。私はまず手始めに彼女のスピーチの多言語翻訳を始めました。英訳しかできないため、多くの手助けが必要だった私は、多言語翻訳の趣旨、翻訳者の必要性を書いて、OYWのFacebookグループなどSNSに半ば駄目もとで投稿しました。すると各国の代表者や、投稿を見た人たちが次々とシェアし、そして翻訳するよと連絡がくるようになりました。大きな喜びと驚きがこみ上げました。日本で声を発してプロジェクトを起こすことはありましたが、日本を超えた形でできたことはありませんでした。しかし、この瞬間、私は確かに、国際社会の中の一人のプレーヤーとして小さいながらアクションを起こせたと確信しました。

 

 世界の1メンバーである自分

 壮絶な問題に対する気づき

 そこから起こせた国際社会の中での自分自身のアクション

 

One Young Worldその一体何を意味しているのかもわからない3つの英単語が、私の人生の時間に大きな意味をもたらしました。一日本人として、世界の問題解決のステップを、参加の実感をもって、踏ませてくれた、始まりの意味です。

これを読んでいる方、ぜひ参加してください。新しいことがきっと始まります。

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