人の心に残ること

市川太一

バンコク大会レポート

 “Let it be, let it be, let it be, let it be”

さっと読んで浮かぶものは何でしょうか。

多くの人にとっては歌ではないかと思います。私もこれを読んで浮かぶのは、ビートルズの曲、 Let it beです。単なる言葉の羅列、まして同じ言葉、「Let it be」の連続です。にも関わらず多くの人はこの羅列を読んだだけで、それが歌であるということを認識し、リズム、ビートルズ、歌詞、あらゆることを思い出します。それを歌っていた頃の自分を思い出す人もいるでしょう。ポジティブなことも、ネガティブなことも含め、何か自分に深く刻まれた記憶と、それを呼び覚ます小さなフック、これを読まれている貴方も、記憶を辿ればあるのではないでしょうか。最近食べた美味しいものですら忘れがちな私たちに人間にとって、そのような記憶は決して多くはなく、それを心に宿した人・モノは、ある意味とてもすごいのではないでしょうか。

O、Y、W、もはや言葉ですらない3つの文字が並ぶとき、私は多くの人生の転機を思い出します。私は2014年のダブリン大会、2015年のバンコク大会、どちらにも参加させてもらいました。2014年大会で得た出会い、気づき、エネルギーが実を結び、参加後クラウドファンディングに挑戦しプロジェクト成功を収めることができました。2015年大会参加後はその功績から新しいお仕事と出会いにもめぐり合わせていただきました。まさにlife changingであったのですが、これは私に限った話ではありませんでした。そこにいる多くの人の人生に何かをもたらし、ある人は東アジアをテーマに問題意識を持ち、ある人は地域の過疎化の問題に取り組み始めます。そうして私たちは、また出会う日のために毎日を懸命に生きています。それは世界中の人にとってOne Young World(以下OYW)が間違いなく、人の一生の中で数少ない、心に残るものになったことを意味しています。

そのような中、私にとってのバンコクOYWでの最大の学びをいうとすれば、OYWのような「人の心に残るものを」つくれる人間になりたいと強く願っている、自分自身を見つけられたことでした。私がOYWで一番好きなのは、実はオープニングセレモニーと、クロージングセレモニーなのですが、世界中の人の心に残るOYWを日本に誘致したい思いに気がついたのはまさにこの2つを眺めている時でした。世界中の人々を熱狂させ、選ばれてきている使命感にギラつくオープニングセレモニー、そして参加の思い出と決心が渦巻くクロージングセレモニーは、世に他にもいっぱいある国際会議やフォーラムとは違う、力強い普遍性とエネルギーを持ち、今年も否応なしに感動しました。OYWはここにしかないということ感じさせ、自分がそこに立ち、生きていることを心の奥底から実感するその時間は、私は代えようがないものに感じました。同時に、代えようがないからこそ、この感動をもっとより多くの人に分かち合う必要があると、私の中に新しい夢が広がりました。その時は、OYWを日本に持ってくること自体が、今回の気づきかと思っていたのですが、今となるとそのように心に残る感動をもっと多くの人に届けたい自分がいたこと、それが一番大きかったように思います。

私は昔から発展途上国に興味がありました。だからこそ大学も国際政治経済学部を選びました。漠然と何かがしたい、何か恵まれない人のために何かしたい、ずっとそう思ってきました。ダブリン大会の選考の際、論文にもそのようなことを書きましたし、今も思っていることです。無理矢理紐付ける訳ではないですが、なぜだかわかります。私は人の心に残ることをしたい人だからです。今回クラウドファンディングをやった高校生と同じように、世界の困っている人にも、心に残る大きくて、その人のためになることをしたい、そう強く感じる人だからです。長年どうしてやりたいのか、理由がわかりませんでしたが今はシンプルにこう答えられるように思います。人の心に残ることをしたいから。まだまだ未熟な回答ですが、大人になろうと言葉尻が変わるだけで同じことを言うでしょうから、今はこの回答で突き進もうと思っています。誰かがこう言いました、

 

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”Life is full of self-understanding and discovery”

 

One Young Worldが私にもたらしたものは、世界の諸問題に関する知識ではなく、それを通じ、自分自身を知ることだったのではないかと、今振り返って思います。そしてきっとこれからも。

 

Positive changeは案外そこから生まれるのかもしれませんね。

 

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